ひとくくりに「商社」と呼ばれることが多いが、「商社」には厳密には「総合商社」と「専門商社」の2種類がある。「総合商社」は幅広いビジネスを行っているのが特徴で、以前は事業領域の広さから「ラーメンからミサイルまで」と表現されたりしていた。
一方で「専門商社」とは食品やエネルギーなどある特定の分野に特化している。ここでは「総合商社」と「専門商社」の違いについて、解説していきたいと思う。
「総合商社」の特徴を解説
「総合商社」は会社の規模も大きく、売上は数兆円規模、純利益は数千億円規模と日本の企業の中でもトップレベルとなっている。海外を相手に仕事をすることが多く、給料も高いことから、学生の就職人気ランキングでも常に上位にランクインしている。
「総合商社」と呼べる企業は限られており、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5社を「五大商社」と呼ぶ。また「五大商社」に豊田通商と双日をあわせて、「七大商社」と呼ぶこともある。
どこの「総合商社」も会社の規模や得意な事業領域に多少の差はあれど、基本的に手掛けている業務はほぼ同じと言える。元商社マンの立場から言わせてもらうと、実際に働いていても事業領域が広すぎることから、他の部署が何をやっているのか、わからないというのが実態だ。学生の立場で「総合商社」の業務内容の違いを理解するのはほぼ不可能と言える。
「専門商社」の特徴を解説
「専門商社」は「総合商社」に比べて会社の数は多い。「総合商社」の子会社や関連会社である「専門商社」も多く、会社名からそれがわかることもある。たとえば、三菱食品は三菱商事の子会社で食品の卸売りや物流を手掛けているし、伊藤忠丸紅鉄鋼は伊藤忠と丸紅両者の関連会はで、鉄鋼のビジネスを手掛けている。また三菱商事の子会社にえ鉄鋼製品事業を行うメタルワンという会社もあり、必ずしも親会社の名前が入っているわけではなく、実は「総合商社」の子会社や関連会社だったということもある。
「専門商社」は特定の分野に特化してビジネスを行っているので、「総合商社」と比べると業務内容を理解しやすい。「専門商社」は会社によって規模は異なる。
「総合商社」に入社するメリット・デメリット
「総合商社」に入社するメリットは、大企業であるため大きな仕事ができ、安定している、給料が高い、誰もが知っている会社なので親に喜ばれたり、友人に羨ましがられたりする。ただ「総合商社」は前述の通り、学生からの人気も高いので、入社するのは簡単ではない。内定を勝ち取るまでの倍率は100倍を超えることもある。
一方でデメリットをあげると、事業領域が広すぎることから、入社後の配属のリスクがある。一部の「総合商社」では、配属される部署を決め打ちでの選考を行っていたりする。しかしながらほとんどは入社後に配属の希望を出すため、人気の部署であれば希望通りの配属とならないこともある。
ただ事業領域が広いというのはメリットにもなりえる。もし違う業務を行いたいと思ったい時には、転職をすることなく会社内で仕事を見つけることも可能。
「専門商社」に入社するメリット・デメリット
「専門商社」に入るメリットもみていきましょう。「専門商社」は事業領域が限られているため、「総合商社」のように希望しない部署に配属されるというリスクがない。もし商社ビジネスの特定の分野に興味があるのであれば、「専門商社」で働くのもありだろう。
また「専門商社」は会社の数も多いことから、「総合商社」よりも内定を貰いやすい。「専門商社」の中でも特定の会社ということであれば、そこまで入りやすいということはないが、複数の「専門商社」の選考を受ければ、内定を貰える確率は「総合商社」よりも高いと言える。。
「専門商社」のデメリットは、「総合商社」と比較してしまうと給料が低い点があげられる。ただ給料よりも興味のあるビジネスをやりたいという熱意があれば、このデメリットはさほど気にすることはないだろう。
まとめ
「商社」にあ「総合商社」と「専門商社」の2種類があり、「総合商社」はビジネス領域が広いのに対して、「専門商社」はビジネス領域が限られている。「総合商社」は学生からの人気も高く、企業数が少ないことから入社するのは簡単ではない。「専門商社」は企業数が多いので、「総合商社」と比較すると、内定は貰いやすい。
それぞれにメリット・デメリットはあるので、自分にあった方を見つけて選考にチャレンジしてみると良いだろう。
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