総合商社の海外勤務手当については、駐在地や家族構成などによって大きく変わってくるため、一概に言うことはできないが、ここでは三菱商事の駐在員のモデルケースを紹介していきたいと思う。
三菱商事の国内勤務の給与・退職金・年金については以下の記事でまとめているので、参照して頂くと海外勤務手当の手厚さをより理解して頂けると思う。
目次
32歳マネージャー（P3）の海外駐在年収
三菱商事の32歳マネージャー（P3）が家族帯同で東南アジアの新興国に駐在した場合、手取り年収は約1,800万円程度。これは国内の年収に焼き直すと2,800万円程度に相当する金額となる。
国内勤務の32歳マネージャー（P3）の目安年収は1,500～1,600万円であるため、海外駐在することによって年収が倍近くになることも珍しくない。
海外駐在時の家賃・車・医療費・学費は会社負担
総合商社では海外駐在時には家賃・車・医療費そして子供の学費についても会社が負担してくれるため、国内勤務と比較すると額面の給与以上に待遇は良いと言えるだろう。
家賃についてはエリアや家族構成によって上限金額が設けられていることがあり、住む物件によっては一部自己負担になる可能性もあるが、東京に住むことを考えれば微々たる金額である。
車によっては社用車地域で車を用意してくれる場合、自家用車地域で自分で車を購入する場合（その場合は給与が高くなる）、やや危険な地域では運転手が付く場合がある。
海外駐在時の「保険休暇制度」
総合商社の海外駐在には「保険休暇制度」があり、駐在地のエリアやハードシップによって回数や金額は異なるが、年に数回会社の費用負担で海外旅行に行くことができたりする。
また2年に1度程度は会社の費用負担で、家族も含めて日本に一時帰国ができる制度なども用意されている。
海外駐在で年間1,000万円の貯金も可能
総合商社で海外駐在になれば、エリアによってはお金の使い道がないため、1年間で1,000万円程度の貯金をすることも不可能ではない。
三菱商事の32歳マネージャー（P3）の場合、年収の半分に相当する800万円程度はボーナスとして支給され、海外駐在中もボーナスは日本円で日本の口座に支給されるので、ボーナスには手を付けないという駐在員は多い。
海外駐在・帰国時の「設営費用」
総合商社では海外駐在が決定すると、設営費用として50万円近くの費用が支給される。
この費用は海外駐在から帰国が決まった際にも支給されるため、エリアや家族構成によっては異なるが、合計で50万円～100万円の設営費用が支給されることとなる。
海外駐在から帰国後の家賃補助
三菱商事では海外駐在から帰国して持ち家がない場合、月20万円程度の家賃補助が支給される。一般的にはこの手の家賃補助は2年間などと期間が決まっていることが多いが、三菱商事の期間は不明。
持ち家がある場合には支給されないが、海外駐在中は賃貸に出すことによって、住宅ローン返済以上の家賃収入を得ることができるというメリットもある。
海外駐在赴任のフライトはビジネスクラス
海外駐在への赴任と日本への帰国の際には、家族を含めてビジネスクラスを利用することができる。家族旅行でビジネスクラスを利用するということはほぼないため、貴重な経験となることだろう。
またマイルやアップグレードポイントに余裕がある人は、この機会に人生で初めてファーストクラスに乗るという人も少なくはない。
海外駐在から帰国すると1年間住民税がない
海外駐在から帰国すると、帰国の時期次第とはなるが、1年間住民税を支払わなくて良いことが多い。
住民税はその年の1月1日時点で日本に居住していた場合、その年の6月～翌年の5月で給与所得の10％を支払うこととなる。
32歳マネージャー（P3）の場合、住民税は年間120万円程度となるため、一般的な人事異動の時期である4月に帰国した場合は、住民税約120万円が節約できることとなる。
まとめ
三菱商事や総合商社で勤務すると多くの人は海外駐在を経験することになるが、海外駐在手当てがいかに手厚いかが理解して頂けたと思う。
海外駐在では一気に貯金を増やすチャンスでもあり、その後の人生が楽になること間違いないと言えるだろう。
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